イノベーションのジレンマ 【その1】


自分たちの会社で、イノベーションが起きないのはなぜか?
最近日本経済が停滞しているのはなぜか?


この二つを説明するのに
経営書の【イノベーションのジレンマ】に記載してある重要だと思う内容を
自分へのインプットを深めるためにも、アウトプットさせてもらいますw


日本にいるビジネスマンであれば大半の方が
こう感じていると思います。

なぜ日本の勢いが止まったのか?

「日本が31年ぶりに貿易赤字
「日本のメーカーが韓国勢に圧倒されている」
「アップルのような、イノベーションを起こせなかった日本企業」など

それを復活させれ為には何が必要なのか?


少しさかのぼって
60年代〜70年代、この時代は欧米企業を差し置いて
日本企業が、世界市場を引っ張ってきていました。

トヨタ、日産、ホンダ、ソニーセイコー

その成長のプロセスでは必ず

買ってくれるか分からない商品を作り
儲かるか分からない市場に提供する「破壊的イノベーション」が必要だと言われています。

日本が市場を引っ張っていた頃の代表例は
ソニーウォークマンなんかが、これに該当すると思います。

その後、高品質、高収益率への切り替わるための「持続的イノベーション」を続け
いわゆる優良企業になっていくと言われています。

そのサイクルを繰り返さないと必ず衰退します。

ちなみに
「破壊的イノベーション」とは
簡単に表現すると、まったく新たな物を作り、新たな市場を創る事。
最近でイメージしやすいのは、アップルのiPhoneiPad

「持続的イノベーション」とは
今ある商品やサービスの精度を高めたり、経緯営効率を高める
いわゆるバージョンアップする事(改良・改善)


今、日本企業は「持続的イノベーション」を繰り返すだけで
次の行き場をなくしている感じです。

今の日本のサイクルは

「破壊的」→「持続的」で終わっており
「破壊的」→「持続的」→次の「破壊的」ができなくなっています。

こんな感じですよね。



■「破壊的イノベーション」を起こせない理由

「破壊的イノベーション」を起こせなくなるには
実は明確な理由、運命?が大きく2つあるんです。




1.「資源依存の理論」という理論に基づくもの。

小難しい漢字が並んでいますが
「資源依存の理論」とは?
資金の配分を決めるのは、経営者ではなく、顧客と株主であるという理論の事です。


少し説明します。

そもそも、会社は、顧客が求める物を作れば成長します。

顧客のニーズをきちっと把握できない。。
顧客の求めている物を提供できない。。

このような会社は成長できませんよね。

これは当然のことですし、
顧客志向とか顧客第一主義を掲げる会社はたくさんあります。



具体的に自分の業務に置き換えて考えてみて下さい。

自分たちは顧客の為に仕事をしていますよね?
顧客が求める、新たなサービス開発にお金を(投資)しますよね。
顧客が必要だと感じるサービスを提供するために時間(=投資)を使っていますよね。

ということは、自分たちの資源をどこに投資するのか?は
基本的に”今取引している目の前の顧客”を軸に判断しているのです。


”顧客”は、自分の会社が良くなるように
『こういうサービスをしてほしい』
『こんな商品を作ってほしい』
と僕たちの組織を束縛し、”顧客のための”資源配分を求め続けます。

だから「破壊的イノベーション」を起こせないのです。

「破壊的イノベーション」は
今、目の前の顧客を満足させるモノを作ることではないからです。

これは株主も同じ考え方ですよね。

これは、経営者の責任とかではなく「資源依存の理論」に基づく
ある意味”運命”というふうに僕は感じます。



2.企業規模の呪縛

企業は基本方針として、毎年、増収・増益を目指します。
上場企業であれば、株価の上昇も目指します。

これは当然の事なのですが、実は足を引っ張る場合があります。

というのも、企業規模によって増収・増益の難易度が全く違います。


少し例えたとすると

120%の売上成長率を目標としたとします。


1.年商10億円の企業が120%の成長率の場合 → +2億 上積みが必要

2.年商100億円の企業 → +20億 上積みが必要

3.年商1,000億円の企業 → +200億 上積みが必要

分かりやすくするために、今回は
「持続的イノベーション」=既存事業
「破壊的イノベーション」=新規事業 だと考えて下さい。

あと、新規事業は難易度が高いので
企業規模に問わず、ここでは年商+5,000万上積みできると想定して下さい。


1.の場合、新規事業の5,000万が伸長額2億円の25%の規模を占めているので
絶対にやらなければ、成長率へのインパクトが大きいですよね。

ただ、3の場合5,000万は伸長額200億円のたった、0.25%です。

増収・増益、株価上昇を考えた時に
優秀な経営者であれば、間違いなく、0,25%のインパクトに
資源投資することは合理的ではないですよね。

だから、企業規模が大きくなると
「破壊的イノベーション」が起こせなくなるのです。


上記2点の理由で「破壊的イノベーション」は起こせない
仕組みになっています。

では次に、そんな中でも「破壊的イノベーション」を
起こしやすくする方法がいくつかあるので、それを整理しますが
少し内容多いので、次のblogに分けて記載します。