双面リーダー(新規事業?or既存事業?)



既存事業を伸ばすのは当然。
でも、企業の未来のためには、絶対に新規事業が必要!

でも新規事業を伸ばすには、誰をリソースとしてさくのか?
またどんな事業が可能性が高いのか?。。

どの企業もなかなか新規事業=イノベーション事業の
立ち上げがうなく行かず、既存事業=コア事業に集中しがちですよね。。。

イノベーション事業の不確実性と比較し
コア事業は確実性が高いので、
結果的にコア事業にウエイトが置かれます。

イノベーション事業を伸ばすべきか?
コア業務を伸ばすべきか?
経営者がいつも頭を悩ませることです。

答えは、両方伸ばせばいいのです!
が、そんな理想論は誰にでも分かるコトですよね。

ハーバード・ビジネス・レビューの9月号にそれを解決できる
ヒントが載っていたのと、僕の見解を追加させて頂きます。

それは、
コア事業とイノベーション事業を両立させる
「双面型リーダーの条件」という考え方です。




■3つの原則

「双面型リーダー」には3つの原則があります。
その3つをご紹介します。


[1]包括的なアイデンティティを育てる
アイデンティティ
 ・既存の製品やサービスを包括するような、心に訴えるアイデンティティがあるか。
 ・自社のアイデンティティは、大志といえるような広い範囲に及んでいるか。
 ・自社のアイデンティティは、将来失われる可能性のあるグループやソリューションに
  限定さていないか。
 
→ようは、でっかいビジョンがあるか?ということ。


[2]トップレベルで緊張関係を保つ
▼報告ライン
 イノベーション部門はCEOに直接報告する。
▼オーナーシップ
 トップの誰かが、イノベーションに個人的な責任を負っているか。
 (もしそれが漠然としていたら、既存事業の要請が新規事業の要請に勝る)
▼議論の争点
 最も激しい戦略上の争いは経営幹部たちの間で行われているか。
 (対立を組織の下層に押し付けているならば、自社の未来の縄張り争いに転換される)
▼協調
 イノベーションの成功には、コア業務から何が必要かを認識する

→絶対に現場に任せていけない。トップ層が納得できるまで議論し、
 トップ層の誰かが結果責任を持ち、調整や指示も行うということ。


[3]矛盾を受け入れているか
▼経営システム
 イノベーション事業はコア事業と同じ基準で評価されているなら恐らく失敗する
▼意思決定
 コア業務とイノベーション業務の間で、常に経営資源(資金、人材)を
 移転しているか。

→この二つの事業を別物と捉える発想と、この二つの協力を促す必要がる。


包括的なアイデンティティを育てるという
でっかいビジョンについてですが
セオドア・レビットが提唱した近視眼的マーケティングが例に挙げられると思います。

1950年代の米国鉄道会社が衰退したのは
自社を「輸送会社」ではなく「鉄道会社」とドメイン設定したために
自動車や飛行機の輸送会社によって市場が奪われたという例のヤツです。

もちろん、鉄道事業を中心でやっていて
鉄道事業でNO.1を目指す!と言っていたら
自動車や飛行機のニーズが出てきたとして
それを何とか鉄道軸でカバーしようと思いますよね。

料金を安くするとか、もっと速度の高い鉄道を作るとか

そこで、自動車や飛行機という新規事業にシフトするには
相当の決断が必要です。

今までの自分たちの市場を、自分たちで奪いに行くようなものですもんね。


僕も過去に新規事業をいくつかスタートした事があります。
ただ、やはり、なかなかうまくいかないです。

上記の原則を知っていれば何か違う結果も出たかも知れません。



■上記の原則+1

上記の原則にプラス、僕の経験上追加すべき原則があります。

それは組織のトップが、そのイノベーション事業を
本気でやりたい!成功させたい!絶対に市場に受け入れられる!
と心の底から思っていることです。

自分が直接携わるか
誰かに実務を任せるかは問題ではなく
その事業を、トップがやりたい。と思っていないと成功しません。

何故かというと、うまくいかない時の軌道修正力が圧倒的に違います。

既存のコア事業なら何とか軌道修正できるものですが。
イノベーション事業なんて、スタートは絶対にうまくいきません。
地獄のように数字がでなかったり、
やったことが無いので、成功に導く戦術が思い浮かばなかったり
想定外の問題が起きたりと課題が山積します。

うなくいかない時に、やりたい!魂で思っていれば
何とか打開策が見つかったり、誰かから支援が手に入れられたり
どこかからリソースを引っ張ってきてでも推進したりします。

ただ、やりたい!と思っていなければ
常に”撤退”という選択肢が頭をよぎり
思考が研ぎ澄まされません。

なので僕は必ず、イノベーション事業を検討するときには
この事業は自分はしたいのか?
市場が求めるものだと確信できるのか?と問いかけるようにしています。

もちろん、何となくやりたい!と思うだけでなく
事前に3CやSWOTなど、
マインドだけでなく客観的な情報収集と論理的思考も持ったうえですよ。


今回も大きな投資をして
新たなコールセンターのイノベーション事業をスタートさせています。

ただ、この事業は僕が圧倒的にやりたいと思っている事業なので
絶対に成功に導きます。

これからも、自分たちの会社を魅力ある会社にするために
もっと、もっといろいろなお客様に選んでいただくために
イノベーションを起していきたいと思います。